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緊張

  • 2017/12/16(土) 19:18:57

 日本のRPGの淵源は間違いなくドラクエにある。
そして、そのドラクエはウィズとウルティマの間の子
というように言われているけれど、
思うにウィズ成分の方が強い。

 非常に遠いところから埋めていくけど……
ラストダンジョンに行けるようになった後、
あるいは全てのサブイベントを消化して強くなった後、
もったいなくなってゲームをやめたことはないだろうか。

 自分はどちらかというとそればかりで、
むしろ流れでクリアできた方が少ないレベル。

 どうしてこういった現象が起きるのかと考えていて、
緊張と解決に対する作りの甘さという結論に至った。

 なお、緊張という言葉には色々な意味があるけど、
この記事では音楽で言うところのドミナント、
解決を求める力が発生している状態を指す。

 かなり飛躍してしまっていて申し訳ないけど、
ウィズにおける緊張と解決とは何なのか、
それこそがクリアできない病の根源にあたる。

 そしてそれを明らかにすれば、
いかに現状のRPGがダンジョンRPGと変わらないか、
シナリオを取ってつけただけのものなのかが明らかになる。



 先に結論を言わせてもらうと、ウィズにおける解決とは
「先に進めることが確定した時」であり、
「版図の拡大、あるいは準備」が緊張にあたる。

 レベル上げが楽しいのは、これこそが
「版図の拡大のための準備」であり、緊張であり、
解決・安定に向かった動きだからと
言い換えてもいいかもしれない。

 ここでポイントになるのは、
実際に先に進んだ時が解決ではないということ。

 例えば、次の街へ向かう時に資源ギリギリで着く時と、
しっかり鍛え、余裕で着く時とでは体感が全く違う。

 前者はたどり着いた瞬間でないと「確定」しないけど
後者はレベルを上げきった時点で「確定」している。
だから、後者においては移動そのものは
なんの緊張感も持たない。ダルいエンカウントが続くだけ。

 これを敷衍し、最後の最後でゲームを投げるとは、
ラストダンジョンに潜る前に踏破が確定して、
ラストボスを倒す前に倒せることが確定するからだろう。

 ラストダンジョンでだけこの問題があらわになるのは、
それまでは「目的地の次の目的地へ進める保証はないから」に
他ならない。



 結局ドラクエに始まるJRPGの流れにおいて、
ゲーム性という意味での緊張と解決は
グラフィックス・場を変えただけでしかない。

 それがダンジョンなのか、街と街をつなぐフィールドなのか、
根本的なところでは何も変わらない。

 手酷く言うと、面白いんだからいいじゃないか、
ここまで遊んでくれたユーザーは目をつぶってくれる、という
自堕落な考えに染まった結果と言えなくもない。

 脚本もゲームも、クライマックスで地力がわかる。
意図的に緊張を作っていたのか、そうでないか。

 ちなみに個人的には、ラストボスを倒したところで
踏破するものが何もない以上、
ダンジョンRPGの延長線上で作っている現状では
ラストボスを倒す面白さは皆無であるように思う。

 もちろん、ワードナーに関してもそう感じる。
倒せるまで鍛えたらその後はオマケ。

 それまでのボスを倒すのは版図の拡大への保証だから
ユーザーに与える心理的な意味合いは大きいけど、
ラストボスは意味合いが全く違うのはよく認識されるべきだ。

 また、ラストボスはシナリオ要素が……と言われるものの、
そこを解決しなければ劣化映画、劣化マンガである誹りは
決して免れることができないだろう。

 そのための緊急対策が周回要素であるように思うけど、
クライマックスがクライマックスとして機能していない、
という問題は何も解決していない。

 これはもちろん、出られないラストダンジョンだとか
最後の最後で街が壊滅するというのも同じ。




 要するに、これからの国産RPGは、
ゲーム全体……いや、移動という行動が持つ緊張と安定を
脚本とキッチリすり合わせないといけない。

 もしかしたら、まずはライターが脚本における緊張とは
どこから発生するかを考え直すことからだろうか。

 緊張とは対立・葛藤とは言うものの、
それにもレベルがあり、引き込まれる葛藤とは
「何が発生しているのか」を、よく研鑽されるべきだろう。

 自分がなぜそれを感じているか、ということを
改めて問い直すのは非常に難しい。

 質問の名手の子供でさえ
「どうして僕は怒っているの」などと聞きはしない。
「なんで私は怒ってると思う?」と聞く人種は居るけど笑

 だからこそ、自分はゲームの移動、
ワールドマップに何を感じているのか、この難問を
深く研鑽しぬいていきたい。

 意訳すると……製作はまだまだ時間がかかりそう、
ということになるだろう……笑