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物語の法則、読了

  • 2016/09/18(日) 19:48:51

 千の顔を持つ英雄、昔話の形態学あたりは
「学問的」であり、そのまま製作に活かすのは難しいだろうが、
「物語の法則」はそもそも物書きのために
書かれたものなので、使い勝手が非常に良い。

 先んじて注意点を述べておくが、
本文内や後書きにもあるように、この本は
「どうやって作るか」の指南書であり
「何を作るか」に関しては自分で発掘しなければならない。

 作り方を心得ている人間、もしくは
「マニュアル買いたがり屋」にはおすすめできない。

 ただし、ツールキットとして非常に優秀で、
自分が書こうとしているものの構造を分析して
自分が何を書きたいのか、発掘の手助けになることもある
……かもしれない。



 この本の良さを一言で表すなら、
「シーンや全体の流れの良し悪しを
把握するツールがたくさんある」こと。

 最初からこれらのツールを使って
シーンを洗うことは難しいが、
時間をかけてきちんと見直していけば
まぁまず破綻することはないだろうし、
「生ぬるい」感じになることもないだろう。

 基本的には、手元に置いといて
他人のシナリオを解剖する時や
自分でシナリオを組む時に
「目次だけでも」見直すという運用をするべき。

 特に、ハリウッドはかなりキャンベルの流れ
……ジョージ・ルーカスと言うべきかもしれないが、
彼の流れを組むので、非常に役立つと思う。
実際に使ってないので何とも言えないが笑



 個人的に思うこととしては、
ツールキットが豊富だからこそ
シーンを見る時の焦点がボケるかもしれない。

 特に、環境的事実を読み込むと
自分は若干ブレたのがわかった笑

 環境的事実を図る時は
何故それを見るのか、きちんとその目的意識を
ハッキリと持つべきだと思う。

 やっぱり基本的には
「キャラクタ」と「キャラクタ」の折衝、あるいは死闘
これがシーンの原動力であると思うし、
その原動力の連続がシナリオの力かと感じる。
もちろんこのキャラクタの定義はマッケナのそれ。

 主従を見誤ると、どうしても
自分が設定した環境的事実を押し出しがちなので、
ツールの主従関係、目的意識は
読了した後、キチッと定めるべきだと思った。

 もちろん人によっては
「いや、これらのツールの中だとこれが一番重要だぜ」
という意見が出るだろうし、それが個性なのだと思う。



 あと、「脚本全体の矛盾」を洗うことはできるようになるが
「テーマ・前提と脚本の矛盾」を見つけることは難しいだろう。
あるいは「テーマ・前提と、よりマッチする脚本の発見」
これも教えてくれない。

 テーマ・前提に対して主人公のドラマで迫るのが
脚本の目的だとするなら、留意すべき点であると思う。

 この手のマニュアル本を読んだら
画一的な脚本しか書けないのでは、と言う人も多いが
この一点と、先に述べた「書きたいコトの指南ではない」
(要するに、テーマ・前提を発見する指南は存在しない)
という点から、全くの誤りであることはわかるだろう。

 自分の勝手な意見ではあるが、
作品のエネルギーを分ける分水嶺は
「テーマ・前提に対してどういうキャラクタ・環境を作るか」
これの方がシナリオのまとまりよりも大切だと思う。

 個人的に思うのは、これに関するアプローチは
技ではなく心や人生・人間性の領域なので、
学びたいなら誰かに師事する必要があるだろう。

 ただもちろん、どんなに素晴らしい
キャラクタや環境を作ったとしても、
それを引っ張るシーンの力が弱いと恐らく駄作になる。

 この手のツールを120%活かすためにも、
どういった点をどうやって補完していくのかが大事だろう。